コーヒー屋店主がお店でコーヒーを淹れないワケ
きっかけとなったヴィンテージのミル
四国山奥のコーヒー屋「ヤギとコーヒー Coffee Reverb」です。
先週OPENした2店舗目「佐礼谷珈琲直売所」に、ヴィンテージのコーヒーミルを導入しました。
ヴィンテージの良さってなんでしょうか?
様々ありますが、一つはモノとしての完成度が高いこと。
今はどんな工業製品でも大量生産・コストカットの時代ですが、
良いモノを作るためには材料も技術も惜しまない!
お金がかかっても国を挙げて良いモノを作ろう!そんな時代があったのです
そのためしっかり手入れしたら長く使えるし、何より使っていて大変心地良い。
今回いくつか手に入れたミルも1930〜1970年代のものがメインですが
これらはそんな時代に作られた逸品たちです。
とても古くメーカー不明もですが、今回いくつか仕入れた中でもひときわ感触が良いです。
作りの精度がとても良く、デザインも「これ以上引けません」というくらいシンプル。
一番気に入ったので、佐礼谷直売所で使うことに…いや、使ってもらうことにしました。
コーヒー豆屋の仕事
佐礼谷直売所は、カフェでもないコーヒースタンドでもない、コーヒー豆屋です。
コーヒー豆屋の仕事ってなんでしょうか?
コーヒー豆を製造し、販売すること…間違いありません。
でもそれで終わってしまったら、コーヒー豆屋とは言えないと個人的には考えています。
モノを売るよりもまず先に、楽しさや豊かさが伝わること。
そして、お困りや疑問に耳を傾け、解決に導くこと。
良いモノを作って売っているお店や会社ほど、サポートも手厚いことが多いでしょう。
せっかく高いお金を出して買っても、うまく活用出来なかったら残念な気持ちになりますよね。
特にコーヒー豆は、「淹れ方は?保存は?」と、悩みの尽きないモノとも言えます。
ですから、コーヒー豆屋の当店は、お客さまのコーヒーライフごとフルサポートしたいと
いうスタンスでおります。
電動でも手挽きでもいい、とにかく挽きたてを
珈琲の世界って、やたら奥が深いとか難しいとか思われがちです。
もちろん深いところは底無しに深いです。しかし気軽におうちで楽しむ分には、難しいことなんてほとんどありません。
ほんの少しのレクチャーがあれば、ほとんどの悩みは解決します。
ミルに豆を入れて腕を回せば、豆は挽けます。
電動ならスイッチONにして豆を入れるだけです。ものの10秒です。
こんなに簡単なことなのに難しく思われてしまうのは、今までそういったサポートをするお店が
いかに少なかったか物語っているように思います。
ですが、当店はやりますよ。やって当たり前と考えていますので。
豆売っておしまい、そんなのプロではありません。
なぜコーヒー屋店主がお店でコーヒーを淹れないのか?
ようやく本題です笑
佐礼谷焙煎所では、ご自身でコーヒー豆を挽き、ドリップする楽しさを味わっていただけます。
ヴィンテージミルを始め、ドリップポットや各種ドリッパーなどの器具をご用意しております。
ご自由にお使いになりまして、お買い上げいただいた豆をお楽しみください。
もちろん店主が丁寧に使い方のサポートいたしますので、どうぞご心配なく。
「わたしでも出来た!」という嬉しいお声は、今までに数え切れないくらい聞いてきました。
もちろんお店の人が淹れてくれたのを美味しく飲むのも、コーヒーの楽しみです。
しかし、せっかく豆屋をやっているのだから、それだけじゃない楽しみをお伝えしたいのです。
大自然の中の古民家、ヴィンテージミルで豆を挽き、コーヒーをいただく。
淹れ方のワークショップに行かなくたって、すぐ淹れられるようになります。
ドリップバッグには戻れなくなるような豊かなコーヒーライフを、きっとあなたも知るところとなるでしょう。