コーヒーの苦い、酸っぱいはどこから生まれるの?
私は深煎りコーヒー派!コクと苦みがたまらないよね〜
僕は浅煎り派!フルーティなのが好きだよ〜
そんなコーヒーの味の違いって、どこから生まれるものでしょうか?
産地?グレード?鮮度?
もちろんそれらも大事ですが、もっと大きい違いがあるんです!
それが「焙煎度」です。
ステーキでレア、ミディアム、ウェルダンと呼ばれるのと似て、
コーヒーもハイ、シティ、フレンチ、などと呼ばれます。
なかなか覚えられない方は浅煎り、中深煎りなんて呼び方でももちろん大丈夫ですよ。
見分け方は簡単で、豆の色を見れば焙煎度が分かります。
見た目から酸味、苦味、コクのバランスが大まかに分かるので、ぜひご参考にしたいただけると幸いです!
ミディアムロースト(浅煎り)
「浅煎り」と謳われる豆はだいたいこの焙煎度。
上手く焼くと豆のポテンシャルが十分に発揮されます。花のような香りや、酸が綺麗に出せるとフルーツジュースのようなみずみずしさも感じられます。
たとえばゲイシャ品種などキャラクターが際立った豆は、これくらいの浅さでないと勿体ないかもしれません。
しかし、上手に焼かないと「酸っぱい」と感じられるケースもとても多く、難しい焙煎度でもあります。
ハイレベルな焙煎士でないとエグみや生焼けの青臭さが残り、トラウマものになるでしょう。
多くのお客さまから、そんな実体験をたくさん聞いています。
ハイロースト(中煎り)
この焙煎度も、豆のポテンシャルを存分に活かしたいときに選びます。
酸味を中心とした爽やかな味のまとめ方になるでしょう。
ミディアムと同じく、適切に酸を引き出さないと「酸っぱい」と感じられてしまいます。
また、甘みやふくよかさが欠けた場合も、酸味一辺倒になってしまい「酸っぱい」コーヒーになります。
シティロースト(中深煎り)
「深煎りの入口」とも言われます。
スペシャルティクラスの豆であれば、ほとんどがこの焙煎度でもしっかりと果実感や香りのキャラクターを感じられます。
そして優しいコクや香ばしさが出てくるので、まさに心地良く飲めるバランスとして最適です。
まさに良いとこ取りな焙煎度。
フルシティロースト(深煎り)
苦みと酸味のちょうど真ん中あたりにくる焙煎度。
豆のキャラクターがほどほどに残りますが、どちらかというと落ち着いて飲める方に振ることが多いでしょうか。
「あんまり深すぎるのは苦手」という方にはちょうど良いかもしれませんね。
フレンチロースト(極深煎り)
濃密感やコクがピークに来る焙煎度。味が抜けすぎるとただ苦いだけのコーヒーになってしまいます。
苦みを優しく柔らかく演出してあげれば、苦いと言われることはありません。
自慢になってしまいますが、当店の得意とする技術でもあります。
ここまで火を入れても個性を残してくれる素材は限られてますが、逆にここまで深く焼いてこそ花開く素材もあります。
たとえば、シャトーブリアンやヒレなどはレアの方が個性が際立ちますが、スネ肉なんかは長時間煮込んだほうが美味しいですよね。
コーヒー豆にも同じように、深く焼いたほうが美味しいものがたくさんあります。
ケニア、コロンビア、インドネシアの多くはここまで深煎りで焼くとグンとコクがふくよかになり、極上の味わいをもたらしてくれます。
(あくまで一例で、生産エリアや標高、生産者さんの意図などにもよります。素材の見極めが肝心。)
イタリアンロースト(エクストリーム極深煎り)
今どきここまで深く焼く人もなかなかいないと思うのですが、当店では意外と人気です。
丁寧に丁寧に焼かないと無惨な出来になってしまいます。
崖っぷちに向かいバイクでフルアクセルを踏み、ギリギリでブレーキをかけるようなイメージでしょうか。行き過ぎたらおしまいです。
モノ好きな方や、好奇心旺盛な方は楽しめるかもしれません。と言っても飲める店はあまりないかも…
さいごに
各焙煎度について、当店の考える味作りを交えて解説してきました。きっとよそのお店では違う狙いを持って焙煎されていることかと思います。
また、お店によって得意な焙煎度などもあったりするので、幅広く楽しんでみてください。
昨今は浅煎りの方向に世の中は向かっていますが、深煎りがお好きな方はぜひ当店の豆もお試しください。
きっと喜んでいただけるかと思います。