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雑記

音楽と珈琲

Reverbするコーヒーを

当店の屋号であるCoffee Reverb の”Reverb”は音楽用語で「広がる」とか「残響」とかそんな意味を持ちます。

コーヒーに置き換えると、口腔内から鼻腔内、そして頭のてっぺんから爪先まで味が広がること。

そしてその余韻が続くこと。「今日飲んだコーヒー美味しかったなあ、良い一日を過ごした」なんて余韻に浸りながら布団に入ってもらえたら言うことありません。

ライブはいいぞ

そんな意味をReverbに込めているわけですが… お察しの通り店主は音楽が好きです。ライブのために生きてると言っても過言ではありません。

僕の最推しバンドのライブでは「対話」が醍醐味です。

MC中にお客さんがブッ込んできてそれに応えたり、セットリストにない曲でもリクエストに答えてくれたり。

もっと広い意味では、曲に込められた想いをオーディエンスが受け取って、拳を突き上げたり、大合唱が生まれたり、はたまた涙が流れたり。

それらを受け取ったバンドは音圧をさらに高める。バンドもオーディエンスも飲み込んだフロアはモンスターのように唸ります。

音そのものを聞きにライブへ行ってるのは間違いないですが、そこから生まれる「広い意味での対話」を我が心は欲しているんだろうなあと思います。

極端な話、仮に演奏のクオリティがイマイチでも、素晴らしいショーだったと思えるライブは過去たくさん経験してきました。

ライブの帰り、ふと思った。

昨日のライブの帰り、ふと思いました。

僕がコーヒー屋としてやりたいことも、音楽と同じなのではないか?

つまりコーヒーを媒介として、そこから生まれる対話をお客さんと共有したいのではないか?ということ。

まあまあ美味しいコーヒーが100円で飲める時代。ライブハウス「佐礼谷コーヒースタンド」では600円もいただくのだから、味はもちろんですがそれ以上にもっと豊かな体験を提供したいのです。

それは、たくさんお喋りしたいという直接的な意味ではありません。仮に無言だったとしても、何かが通じ合うことはあります。

お客さん同士で共鳴し合うこともあるかと思います。

カップに注がれたコーヒーが楽曲だとすると、コーヒー豆はCD。

自分の焼くコーヒー豆がCDと考えると、それを手に取ってくれているまだ見ぬ皆さまともバッチリコミュニケーションが取れている気になります。

たくさん味わい、また想いを馳せてもらっていることでしょう。

今やCDなんて時代遅れかもしれない。もっと手軽に音楽を聞ける方法なんていくらでもあります。

コーヒーも同じかもしれませんね。現代ではマシンにカプセルをはめてボタン一つ、まあまあの液体が落ちてきます。

そんな時代にわざわざコーヒー豆を挽き、じっくり時間をかけてこまめにお湯を注ぐ。

「そんなの面倒くさい」と言われてしまえば、返す言葉はない。

しかしカプセルマシンと同じ一杯のコーヒーに見えても、与えてくれる豊かさは天と地ほどの差があるのは言うまでもありません。

今日も全国津々浦々、コーヒー豆という面倒くさいものを愛する皆さまが、おのおのの想いをコーヒーに重ねてくれていることに感謝します。

皆さまのコーヒーライフに、最大限のリバーブを。

この記事の著者

炭田 航希

1990年6月5日神奈川県生まれ。29歳の時に珈琲と出会い「やっと生きる道が見付かった」と確信。現在は愛ヤギのティピカと共に四国山奥の古民家に暮らす。日々珈琲の焙煎に励み、ウェブでも販売。全国のコーヒーラバーのポストを良い香りにしている。

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