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黄色い丘

旅する渡り蝶「アサギマダラ」が黄色い丘にやって来る!

#お知らせ#アサギマダラ#ヤギ#伊予市#愛媛#絶景#黄色い丘

愛媛県の佐礼谷黄色い丘。春は菜の花・ミモザを見に県内外から多くの人が押し寄せます。

秋は旅する渡り蝶・アサギマダラの飛来や、コスモスが多くの人を集めます。

蝶を見にわざわざ?と思われるかもしれませんが、実はとても稀有な蝶なのです。

この記事で解説していきますよ。

生態

アサギマダラってどんな蝶?

マダラチョウの一種で、大きさはアゲハチョウほどです。

なんといっても一番の特徴は、をすること。渡り鳥ならぬ渡り蝶で、蝶の中では大変めずらしい習性です。

その移動距離は1oookmを超え、中には海を渡り2000km以上飛んだ個体も、マーキングによって確認されています。すごいですね。

日本から中国まで移動する個体もおり、愛媛県内のアサギマダラが香港まで飛んだ記録もあります。

無防備としか思えない海上で、なぜ外敵に襲われないのでしょうか?

その秘密は「エサ」にあります。

毒を喰らい、自ら毒となる

アサギマダラの卵は、キジョラン(鬼女蘭)という花の葉っぱに産み付けられます。

名前の由来は、花後の種子が髪を振り乱した老婆のように見えるところから来ています。

お客様からいただいた貴重な幼虫の写真。動画を切り出したら粗くなってしまいました。

そんな植物に抱かれながら孵化する。スタートからなかなかドラマチックですよね。

この葉っぱにはアルカロイドという神経毒が含まれ、これを食べることで自らを毒化し実を守るのです。

フジバカマの毒により長距離飛行が可能に

アサギマダラは成虫になってもなお毒を喰らい続けます。

今年はまだ咲き始め

有名なところだと、フジバカマの花蜜。黄色い丘にも多数植わっており、これを求めて毎年10月のある時期からアサギマダラがたくさん飛来します。

フジバカマの毒を取り入れることにより、長い移動中でも外敵から襲われずに済むのです。

ちなみにヤギも人間も、フジバカマを食べてはいけません。ティピカは匂いで解っているようで、ちゃんとよけます。えらいね。

ピークでは100頭以上のアサギマダラが乱舞します。壮観ですよ。

写真では2頭ですが、これは店主が本業のコーヒーで忙しく狂喜乱舞の写真を撮れてないからです。

本当に100頭来るんだから!!!

飛来の条件

①気温

これが大事!アサギマダラがなぜ旅をするかというと、彼らにとっての「適温」があるから。

その適温は20-25℃と言われており、黄色い丘では22℃くらいのときが一番多く飛来しています。

適温を求めて1000km以上も移動するくらいなので、暑い寒いにはとってもウルサイ蝶だと思ってください。

丘のフジバカマ畑

22℃を求めて、県内では石鎚のあたりから段々下りてきて、黄色い丘へ、そして八幡浜や佐多岬の方へと旅を続けます。

台湾や香港まで旅をする子もいるでしょう。すごいですね。連れてってほしいな。

とにかく、22℃がベストですよ、22℃。きっと役に立つので覚えておいてください。

②天気

あまりカンカンに晴れていると木陰で休んでいることが多く、かと言って雨でも飛べません。

あまり気温の上がりすぎない曇りがベスト。

「同じような写真しかないじゃないか?」ですって?この時期は忙しいから許してくれぇ…

③時間帯

日が昇りきる前の9-10時が、最も多くのアサギマダラが飛び回ります。

次点で、少し涼しくなった16時前後も飛んでいることが多いです。

③まとめと蛇足

まとめ

旅する渡り蝶・アサギマダラは、気温22℃前後の朝9-10時に、毒花フジバカマの蜜を吸いに来ます。

伊予市佐礼谷の黄色い丘には、例年10月に入ったら見られ始めます。

当ブログやインスタでもレポート予定ですが、天気予報を頼りに狙ってみてください。

ちなみに丘の気温は平地より3℃ほど低いですので、考慮にいれてください。

ここからは個人の雑感

毒を纏って無敵かと思われるアサギマダラですが、20-25℃でしか生きられないというのは、なかなか気の毒に感じる面もあります。

完璧な人間などいないように、完璧な動物もまたいないのでしょうね。

どこかでバランスをとっているみたいで、自然の奥深さを感じます。

アサギマダラの中にも、「はーまた移動しなくちゃいけないのか面倒くさいな。」と思う子もいれば

「次のステージはどんなところなんだろう。ワクワクするな。」と逆境を楽しめる子もきっといるかもしれませんね。

アサギマダラはゆらりゆらりと優雅に舞う蝶です。

蜜を吸っている間も、どこか上品な雰囲気。人間が近づいても、取り乱すことなく振る舞う姿が人の心を惹きつけるのでしょう。

この記事の著者

炭田 航希

1990年6月5日神奈川県生まれ。29歳の時に珈琲と出会い「やっと生きる道が見付かった」と確信。現在は愛ヤギのティピカと共に四国山奥の古民家に暮らす。日々珈琲の焙煎に励み、ウェブでも販売。全国のコーヒーラバーのポストを良い香りにしている。

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